
しかし、実はこの花たちは、雪がとけてからでなければ、咲きません。被写体としては、雪の白と、花の黄色のコントラストは魅力的ですが、「雪がとけて花が咲き、その後でもう一度雪がふり、その雪がとけないうちの晴れた日」という条件が整わなくては、撮れないものなんですね。

一方、ヨーロッパでは一年草の、赤い花をつける福寿草の種類が主流で、こちらはアドニスと呼ばれています。ヴィーナスに愛されたうつくしい王子「アドニス」が、イノシシのきばにかかって死んでしまい、その時流れた血の後に、この花が咲いた、というギリシャ神話に基づいています。
お日様があたっていない時も、花を両手で囲んで、暖めてやると、花が開く、という文をみつけました(ピッキオ編・著「おもしろ花のフィールド図鑑・春」実業乃日本社)。今回は晴れていたので、実験することはできませんでしたが、曇っている時に、近所の福寿草でぜひ、試してみたいと思います。